ペプシコーラ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットを次々と再建し、「フォーチュン」や「ハーバード・ビジネス・レビュー」が選ぶ世界トップリーダーである伝説のCEOデヴィッド・ノヴァクが、成功者100人から得た知見を『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、一橋大学特任教授で経営学者の楠木建さんが執筆した監訳者まえがきの一部を特別に公開する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【一発アウト】「スケジュールが予定でいっぱいな人」が一生出世できないワケPhoto: Adobe Stock

学びに必要な「2つのモード」

 アクティブ・ラーナーは一日のスケジュールを予定でいっぱいにしようとはしない。
「静かな時間が行動につながる」からだ

 エンジニアリングの専門家であるバーバラ・オークリーは「集中モード」と「拡散モード」という二つの思考モードを区別している。

 集中モードは、作業を完了させたり何かを記憶したりしようとしているときの思考の方法だ。

 一方、拡散モードはリラックスした神経状態で行われる。思考が広がり、新しいアイデアについて考えたりできる。

 学びにはこの両方のモードが必要となるが、「考えに行き詰まった」「課題を解明できない」などと感じたときには、拡散モードが必要となる。

モルガン・スタンレー元CEOがやっていること

 本書に登場する一人、モルガン・スタンレーの元CEOであるジェームス・ゴーマンは、「現代人は次々に起こる出来事に対処しなければならないために視野が狭くなり、重要なことから目をそらしてしまいがちだ」と言っている。

 考える時間を作るためには静かな場所に移動しなければならない

 彼は屋外で運動しているときに心を落ち着かせられると言う。
 自然ほど、すべてのもののつながりや自分よりも大きなものの存在について考えさせてくれるものはない。

 人生の不思議に思いを馳せ、感謝の気持ちを抱き、人とのつながりや責任について考える時間を作ることで、学習を継続することができる。

 アクティブ・ラーナーは、心を休ませ深く考える時間を日常の中に作っている

(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集し作成しました。)