月見バーガーは経営にめちゃくちゃ貢献、コメダとの違いは?
月見バーガーは、卵やビーフパティといった定番食材を中心に構成されるため、原価率を比較的低く抑えられる利点も持つ。高い利益率を確保しながら、売上を伸ばすことができる優良商品なのである。
財務データをみても、月見バーガーの経営への貢献度がわかる。具体的な単品売上は公表されていない。しかし、日本マクドナルドホールディングスの決算報告を見ると、月見バーガーが発売される9月を含む第3四半期の売上が好調に推移する傾向が確認できる。
2024年の全店売上高は過去最高を記録した。9月の既存店売上高は前年同月比で2.8%増加しており、月見バーガーの貢献は大きいのではないだろうか。

月見商戦に新たな風を吹き込んだのが、コメダ珈琲店である。2022年から月見メニューを導入し、ハンバーガー市場に本格参入した。
コメダ珈琲店の戦略は、ファストフードチェーンとは一線を画す。
中核にあるのは「逆詐欺」と呼ばれるコンセプトだ。メニュー写真のイメージをはるかに超えるボリュームと品質で顧客を驚かせ、高い満足感を提供する。
もう一つの強みは、ゆったりとくつろげる空間の提供である。マクドナルドが効率とスピードを重視するのに対し、コメダ珈琲店は滞在時間の長さを武器にする。
2025年の「お月見祭」では全7種の商品を展開した。
「お月見フルムーンバーガー」は、大きなバンズに肉厚のパティ、そして満月のようなまん丸のエッグオムレツが挟まれている。トマトの酸味と玉ねぎの甘みが効いた特製ソースが全体の味を引き締める。
新作の「お月見フルムーンてりやきバーガー」は、甘辛いてりやきソースとまろやかなマヨネーズが食欲をそそる。
マクドナルドとコメダ珈琲店の戦略は、月見という日本文化を巧みに活用する点で共通している。
マクドナルドはスピードと商品の多角化で市場をリードする。一方、コメダ珈琲店は圧倒的な満足感と滞在価値で独自の地位を築く。両社の競争は、月見市場をさらに豊かで魅力的なものにしている。