コメダさん、やりすぎだって!異次元のボリュームと「ワケのわからなさ」に完全に持ってかれたPhoto:Diamond

怒涛の勢いで店舗数を増やし、スターバックスコーヒーやドトールコーヒーを猛追するコメダ珈琲店。コメダと言えば特大ボリュームのスナックやお得なモーニングが人気だが、魅力はそれだけにとどまらない。名古屋発祥の企業ならではの「ガラパゴス進化」の強さの秘密に迫る。(イトモス研究所所長 小倉健一)

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「魅力のない街1位」のガラパゴスな魅力

 かつて名古屋市は、自ら企画した「都市ブランド・イメージ調査」(2016年)で国内主要8都市のうち「魅力のない街」第1位に選ばれてしまったことがある。

 名古屋ってなんか変だよね、という日本国民の偏見が具現化された瞬間だった。私自身も、名古屋って変わった街だよなという認識は少しあった。

 例えば、味噌煮込みうどん。麺が固すぎると食べるたびに思ってた。次は、きしめん。なんであんなに平べったいのだろう。そして、世界の山ちゃんの手羽先、味が濃すぎないか。ういろうは甘すぎないか。あんかけパスタ、なぜパスタにあんかけ……。

 考え始めたらキリがないのだろうし、他の都市だって疑い始めたら変なことは多いのだろうが、出張などで行くたびに、名古屋への違和感は消えなかった。その違和感こそが、当時の私には名古屋の魅力として映ったのかもしれない。

 名古屋のガラパゴス的な独特な進化は、一体どのようにして生まれたのだろうか?

「魅力のない街」第1位という調査が発表された時、私は雑誌をつくっていた。そのまま結果だけ報じても面白くないと思い、河村たかし名古屋市長に直撃取材したところ、こんな答えが返ってきた(PRESIDENT 2016年11月14日号)。