面接官に「この人を採用したい」と思われる人は、面接中にいったいどんなことをしているのでしょうか?
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、受かる人の面接の受け方について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

面接官に採用したいと思ってもらうには

僕が就活生のとき、トヨタ関連の中小企業の二次面接での話です。その企業は二次面接から社長が参加していました。

そんな二次面接の最後、「最後に何か質問はありませんか?」という逆質問の時間が与えられました。

「社長視点で、貴社ではどんな人が活躍する傾向にあると考えていますか?」という質問の後、僕は事前に考えていたアイデアを披露しました。

「学生目線で御社からこんな商品が出たら購入したいと思う商品を考えてきました。お話してもよろしいでしょうか!」と。

社長は「ぜひぜひ」と前のめりに話を聞いてくれます。

僕は胸ポケットから印刷した画像を取り出して、それを見せながら説明したんですよね。

それを聞いた社長は「いいアイデアだね!面白い!」と言ってくれました。

そして二次面接が終了して、すぐにその会社から「藤井さん、最終面接なしで内定を出したいのですが」という電話をいただくことができました。

僕はグループディスカッションで良いアイデアを披露することはできません。大人数の中で意見を出すのが苦手です。

ですが、事前に時間をかけてアイデアを考えることならできます。

そしてそのアイデアまとめた画像や資料さえあれば、逆質問で披露しようという勇気をギリギリで持つことができます。

自分ができる範囲内で、他の就活生と差別化するための戦略として、このアイデアの披露を取り入れたのです。

ネット上では、このように逆質問でアイデアを披露したり、変わったアピールをすることを的外れだとする意見もあります。

もちろん適当なアイデアではいけません。数時間はしっかりと時間をかけて資料にまとめるぐらいの「質の担保」は必要です。

友人へのプレゼント選びと同じで、企業も”時間をかけてくれたこと”を十分に評価します。

売り手市場では、それだけ真剣に選考に参加してくれる就活生を良しとする企業は多いのです。

中小企業にこそ猛烈な愛を伝える

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、第5章にて「中小企業にこそ猛烈な愛を伝えよう」という内容を書きました。

僕は大企業の選考対策以上に、中小企業の選考対策に時間をかけたのです。

なぜか。

それは他の就活生が中小企業の選考に力を抜くからです。

でも考えてみてください。何千人もの就活生がエントリーしてくる会社よりも、数十人の就活生がエントリーしてくる会社の方が、人事はしっかりとエントリーを読むと思いませんか。

他にも今回のように面接でアイデアを披露するような学生も、中小企業の選考の方が少ないと予想することができます。

もちろん大企業志向で中小企業への志望度が低い人もいるでしょう。

ですが、中小企業からの内定は、大企業を受けるときの武器になります。

具体的には大企業の選考で、「他社の選考状況を教えてください」と聞かれたとき次のように答えるのです。

「現在、◯◯株式会社と◯◯株式会社の2社から内々定をいただいております。しかし、貴社への志望度が最も高いため、貴社から内定をいただいた暁には、即日で他社の内々定を辞退して、就活を終了致します」と。

この回答のポイントは2つあります。

1つ、他社から評価されている人材であることをアピールできる

2つ、他社の内々定を即日で断るほどに志望度が高いと伝えることができる

もちろん、このためだけに入社するつもりのない中小企業を受けるのは迷惑です。本当に入社したいと思える中堅企業・中小企業を探すことが大切です。

志望度の高さを伝えることが脇役さんの必勝法

ここまでの話で伝わったと思うのですが、就活攻略の鍵の1つは「志望度の高さを伝えること」です。

なぜなら志望度が高い人は、内定辞退しにくい、早期退職しにくいと人事は予想するからです。

人事の立場に立って考えても、内定辞退されるのは厳しいですよね。最悪の場合は、一から採用活動をやり直すことになります。社内からの批判も厳しい。

この人事側の背景を押さえておくと、就活では志望度の高さを伝えるために、できることは全てやるべきだと分かりますよね。

僕は大学も中堅でしたし、資格も自動車免許だけ。長期インターン経験も留学経験もなく、TOEICは300点台でした。

ですが、志望度の高さを伝えるためにできることを自分なりに編み出し、実行しました。

それによって、カゴメ株式会社からの内定を含む、22社からの内定・内々定を獲得することができたのです。

僕のような脇役さんが就活で評価されるための方法は、拙書『脇役さんの就活攻略書』にて書きまとめました。これまで8年間、就活ブログを運営してきましたが「この本を読んでくれれば、他の2000本の記事は読まなくて良い」と言い切れる本になりました。

ぜひ今回の記事の内容に共感してくれた方、また就活生の親御さんに手にとってほしいと思います。

この本をきっかけに「就活って怖いな」「自分は評価されないんだろうな」という思いから、「あれ?就活って案外面白いかも!」という思いに変わると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです