ペプシコーラ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットを次々と再建し、「フォーチュン」や「ハーバード・ビジネス・レビュー」が選ぶ世界トップリーダーである伝説のCEOデヴィッド・ノヴァクが、成功者100人から得た知見を『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、その一部を抜粋・編集し、「成功し続ける人になる秘訣」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

気分の波から生まれた気づき
コンサルティング会社「ザ・テーブル・グループ」の社長、パトリック・レンシオーニは、同僚から「どうしてあなたはこうなの?」と親切に尋ねられたとき、自らのギャップを管理するのが難しいことに気づいた。
同僚は、パトリックが上機嫌で出社してきたのに、会議の途中で突然不機嫌になり、次の会議ではまた元気になったと言った。
彼は自分自身がそんなふうに気分の波が激しいことを自覚していて、問題だと思っていたが、どうすればいいかわからなかった。
同僚が好奇心と思いやりをもって尋ねてくれたことで、「なぜなのかはわからない。でも、明らかにしたい」と答えられた。
「ワーキングジーニアス」の6つの能力
2人は一緒に掘り下げていった。4時間かけて、パトリックの1日の仕事の種類を分析した(これは誰にでも当てはまるものだ)。
彼らは「物事を成し遂げる」ための仕事の能力を、次の6つに分類し、「ワーキングジーニアス」と名づけた。
1.好奇心─可能性や潜在的な機会について考える
2.発明力─斬新なアイデアや解決策を生み出す
3.判断力─アイデアや状況を評価・分析する
4.励ます力─行動を促すために組織をつくり、鼓舞する
5.実現力─人を励まし、支援する
6.粘り強さ─プロジェクトを推進する
パトリックは、自分がこのうちの2つの分野に強いことを知っていた。発明力と判断力だ。それ以外の能力が求められるときは、楽しくもないし、元気も出なかった。
自分の強みと弱みを受け入れる
このモデルを職場や家庭でテストしてみたところ、結果は驚くべきものだった。あるCEOは涙を流しながら「自分の何が悪いのか、ようやくわかった」と言った。
パトリックのチームはこのモデルに基づいた自己評価テストを開発した(50万人以上がこのテストを受けた)。
彼は、このテストは彼がこれまでにしてきたどんなことよりも強力で、人生を変え得るものだと考えている。
「自分の得手不得手がよくわかるようになり、そのことを受け入れられるようになった。互いの強みを活かし、弱点を補うチームをつくる方法も理解できた」
自己理解を深めるために
パトリックのアセスメントや、クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)、DiSC(ディスク)アセスメント、マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)などのアセスメントをチェックしてみよう。
この類のアセスメントにはかなりの数があり、内容が重なり合う傾向もある。
そのためすべてを行う必要はないが、いくつかをやってみると、自己理解を深められるだろう。
自分の強みや、行動の傾向、性格的な特性について学ぶ度に、他人にどんな弱点を補ってもらえばいいかを把握しやすくなる。
(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集し作成しました。)