しかし、これらが子どもの個性や価値観と合わない場合、学校生活が辛いものになってしまう可能性があります。学校説明会などの機会を利用して、校風を十分に理解して選ぶことが大切です。

公立高校vs私立高校
どちらを選ぶのがベスト?

公立高校 私立高校 比較同書より転載

 公立高校は費用が安く経済的負担が軽い一方で、全国統一のカリキュラムに基づいて授業が行われるため、大学受験に向けた手厚い指導が受けられるとは限りません。一方、私立高校は学費こそ高額なものの、整った設備や快適な学習環境が魅力です。また、大学受験に向けたサポート体制が充実しており、過去の実績に基づいた的確な指導が受けられる場合が多いです。

 学習環境や受験指導の体制といった面では、やはり私立高校に一日の長があるといえるでしょう。大学進学を前提としたカリキュラムが整っており、同じような学力層の生徒を毎年多数送り出しているため、学校としての進路指導のノウハウや情報量も豊富で安心感は大きいといえます。

『勉強にかかるお金図鑑 幼稚園から大学まで』『勉強にかかるお金図鑑 幼稚園から大学まで』(西岡壱誠、布施川天馬 笠間書院)

 ただし、公立高校であっても意識の高い生徒はしっかりと受験に取り組み、難関大学に合格しています。先生の力も借りつつ、子ども自身で考えることができる環境を整えることが大切です。

 公立高校・私立高校の枠組み以外にも、少数ですが、国立の高校もあります。基本的には国立大学の附属高校であり、内部進学で国立大学にいくルートが残されています。学費は公立高校並みに安く、受験指導も丁寧に行われる国立高校も、選択肢として有効です。

【ポイント】
 ここまで挙げた以外にも、公立高校は大抵が男女共学ですが私立高校は男女別学が多いなど、違いはたくさんあります。学費だけでなく、学習環境や設備、校風、通学路、進路支援の充実など、子どもや家庭の状況に合っているかどうかを判断するポイントは多岐にわたるので、金銭的に無理のない範囲で、子どもの能力や個性を伸ばすのに適した学校を選びましょう。