「総合的な人間能力」の
養成を期待して公立に
幼稚園は家から近い私立を選びました。彼には姉がおり、姉が通った園に不満もなかったので、同じ幼稚園を選択。もともと地域で評判がよい園だったようです。
小学校受験の存在自体は知っていましたが、家から遠い学校に通う意義を感じられず、教育に大金をかけることに対してそこまで意味を感じず、受験は見送られました。そして、地元の公立小学校へ進学します。
小学生になった永田さんは、算数に打ち込み、周囲に心配されるほどの算数・数学マニアになっていました。幼稚園の年長から通い始めたくもんで算数や数学に出会い、これに魅了されていたのです。
その進捗度合いは尋常ではなく、小学校5年生の秋時点で、すでに中学・高校はもちろんのこと、大学で学べる数学のコースまで含めて、すべての数学教材を修了したほど。
大人も目を見張るほどの成長度合いですが、数学以外の能力が追いついていませんでした。今でこそ話上手で気さくな印象を受ける永田さんですが、当時はコミュニケーション能力がまだまだ伸びておらず、また運動も苦手であったため、少しクラス内で浮いていたといいます。
中学受験の話題は全く上がらなかったようです。彼曰く、勉強のステータスを上げるよりも総合的な人間としての能力の養成を期待し、公立中学校への進学が決定されたのではないか、とのことでした。彼自身も実際に通ってみた経験を踏まえて「公立中学校には色々な子どもがいて、刺激になった。自分の成長にいい影響を与えたかもしれない」とも振り返っています。
中学校は地元の公立校へ進学。成績は非常によく、トップ5から下に落ちたことはなかったようです。そもそも、主要3教科のうち重要なウエートを占める数学は、すでに大学レベルまで学習を終えていたのですから、心配すべくもありません。もちろん高校受験の対策も独学でばっちりであり、何も心配するところはありませんでした。