私立受験NG「背水の陣」で
国立大学の入試に挑む

 大学受験校は東京大学と後期で北海道大学を選択。私立はお金がかかるので、合格しても進学先として選べない経済状況でしたから、出願すらしていません。また、彼ほどの数学の実力があれば推薦も狙えそうなものですが、そもそも推薦入試の存在を知らなかったので、一般受験を選択しています。

『勉強にかかるお金図鑑 幼稚園から大学まで』『勉強にかかるお金図鑑 幼稚園から大学まで』(西岡壱誠、布施川天馬 笠間書院)

 前期の手ごたえは戦えた印象はあったものの、合格を確信させるレベルではなかったようで、後期受験する北海道大学近くの物件を探していたところ、合格連絡がきたそうです。彼ほどの数学の才能があっても合格を確信させない東大は、さすがにレベルが高い試験を出題するものだと感心させられます。

【大学に入学するまでの合計金額】
 彼の教育にかかったお金は423万円です。私立幼稚園で60万円、公立小学校で72万円、公立中学校で54万円、公立高校で105万円。6年間通ったくもんが年間10万円として60万円。参考書購入費用が合計で15万円。通信教育費が合計で57万円。

 東大進学者としては異例なほど安い教育費用ですが、これは彼の数学の才能があってのことという前提を忘れてはいけません。ただし、塾に通わずに一流大学へ進学するにはその才能だけでは足りず、他教科の学習も必要でした。これを彼が塾なしでカバーできたのは、やはり県内トップ校の教育力の賜物でしょう。安価に一流大学進学を決めたいならば、都道府県内トップの公立高校進学が必須といえます。