日本の「当たり前」を
未来の子どもたちの力に
スタンフォードのプリスクールでの体験は、私にとって、どちらの教育が優れているかという単純な二元論で結論づけるものではありませんでした。創造性を何よりも尊重するアメリカの教育と、和と規律を大切にする日本の教育。それぞれが、その国の文化や社会が求める人間像を反映した、素晴らしい教育実践です。
この体験を通して私が強く感じたのは、日本で暮らす私たちが、この国の文化や教育の持つ「内に秘めた強さ」をもっと認識し、誇りに思うべきだということです。創造性と規律は、対立するものではありません。むしろ、生活習慣という根っこがあるからこそ、創造性という大樹は天に向かって伸びやかに枝葉を広げることができるのです。
私が運営するSora International Preschoolでは、この考えを実践しています。子どもたちの自由な創造性を最大限に尊重しつつ、生活習慣やマナーに関しては日本基準の規律を丁寧に取り入れています。この二つのバランスこそが、これからのグローバル社会で生きる子どもたちにとって、最も重要な力になると信じているからです。
日本の「当たり前」がいかに尊いものであるか。日本ならではの「見えざる強み」を、これからのグローバル社会を生きる子どもたちの力として、自信を持って手渡していくべきではないでしょうか。
