
1700万円を貯めた56歳独身会社員のTさん。NISAで着実に資産形成を進める一方、85歳の母親が「住民税非課税なのに給付金がもらえない」という問題に直面しました。役所に聞いても理由がわからず、途方に暮れていましたが、意外な落とし穴が判明。高齢の親と同居する家庭の多くが見落としている、知らないと年間50万円損する可能性もある盲点とは?(家計再生コンサルタント 横山光昭)
「もらえるはずのお金」の落とし穴
「家計を大きく揺るがすような『もしも』の時、うちは大丈夫だろうか」
「自分はともかく、家族が突然の入院をしたり、親の介護費用がかかるようになったら、貯蓄が底をつくのではないか」
そんな漠然とした不安を抱える人は少なくないでしょう。将来の備えとしてNISAなどの投資を始める人が増えていますが、実は、資産を増やすのと同じくらい重要な「いざというときのお金」の知識も必要。身近な行政制度の中に、知っておきたいポイントが隠れています。
今回ご紹介するのは、賢く資産形成に励んでいた一人の会社員が、私との出会いをきっかけに気づいた「もらえるはずのお金」の落とし穴です。これは特別なケースではなく、高齢の親と同居する多くの家庭に共通する、知っているか知らないかで大きな損得が分かれる問題です。