対面面接では「ディスカッション面接」がおすすめ

 対面では面接の自由度が増します。対面面接の良さを活かす方法として、前回の記事(*2)で解説をした「ディスカッション面接」をおすすめします。

*2 志望度を上げていく、ITエンジニア・DX人材の心を掴む“魅力的な面接”とは?

 例えば、ホワイトボードを活用した、リアルタイムでの技術議論が可能です。口頭での説明が難しいシステム構成やアルゴリズムについて、その場で図解してもらいながら深く掘り下げることができます。

 また、コミュニケーション能力に関しても多くの情報を得られます。例えば、専門知識がない面接官にも理解できるように難しい内容を噛み砕いて説明できるかを見極めることは、チーム内での円滑な協調性を測る上で非常に重要です。一方的に話すだけでなく、面接官からの質問やフィードバックに対してどのように対応するかを見ることで、双方向の議論を深められるかどうかがわかります。そして、面接での議論を通じて、技術的なスキルと知識の深さも浮き彫りになります。履歴書や職務経歴書に記載された知識が実際に手を動かして図示できるレベルのものなのか、その深さを測ることができます。加えて、自分の知らないことや不確かな部分に直面したときにどのように振る舞うかを見ることで、候補者の知的好奇心や学習意欲がわかります。

候補者のタイプ別コミュニケーション戦略が大切

 私は、ITエンジニア・DX人材の選考体験(CX)をよくするために「面接官トレーニング」を実施しているのですが、トレーニングを受ける方から「面接の出来栄えに手応えを感じるときと、そうでないときがある」という悩みを聞きます。候補者のタイプ別にアプローチできているかどうかが重要なのですが、ほとんどの場合は意識をせずに面接をしていると思われます。もちろん、相手の人物タイプを感じ取って自然と対応できる方もいますが、パターンを知っておけば、実はそれほど難しくはありません。候補者は、主には、安定志向・成長志向・専門性重視・協調性重視といった4タイプの方がいると考えられます。いずれも、転職理由や求めるキャリアパスを確認すると、どのタイプの方か判断しやすいです。