【独自】プルデンシャルがひた隠す「投資トラブル」全6件の全容判明!濱田会長の引責辞任は不可避だった

外資系生命保険大手、プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン会長兼最高経営責任者の濱田元房氏が辞任した。傘下のプルデンシャル生命保険では、元営業社員による投資詐欺などの不祥事が続いているが、実は公表している事案以外にも元社員による投資トラブルが複数発生していた。連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、全6件の手口を詳報する。(ダイヤモンド編集部取材班)

詐欺事件に個人情報漏洩
相次ぐ不祥事でトップ辞任へ

 10月14日、外資系生命保険大手のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンは、濱田元房会長兼最高経営責任者(CEO)が10月6日付で退任したと発表した。

 傘下のプルデンシャル生命保険では、24年6月に金沢支社に所属していた元営業社員が投資運用名目で金銭をだまし取ったとして逮捕された。その後、24年9月にも汐留支社に所属していた元営業社員が投資運用名目で金銭をだまし取ったとして逮捕されるなど、不祥事が相次いでいた。

 さらに、25年2月には別の元営業社員が在籍中に得た顧客情報を活用し、別の保険代理店で営業を行っていたとして、不正競争防止法違反の疑いで逮捕。金融庁はこうした管理体制の甘さや個人情報の漏洩を問題視しており、4月までにプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンとプルデンシャル生命保険に対し、保険業法に基づく報告徴求命令を出していた。

 今回のトップ辞任は一連の不祥事に対する引責辞任とみられる。濱田氏の退任後は社長兼最高執行責任者(COO)を務めていたブラッドフォード・オー・ハーン氏がCEOに就任し、ガバナンスの立て直しを行う。

 プルデンシャル生命保険の課題は山積している。なぜなら、元営業社員による投資運用名目での金銭詐取は、24年中に逮捕された2つの詐欺事件だけではないからだ。

 ダイヤモンド編集部の取材によると、プルデンシャル生命保険は元営業社員による投資名目の金銭トラブルを複数把握しており、逮捕に至った2件を含む、6つの事案で係争していたことが分かった。

 ダイヤモンド編集部の取材班は6つの事案の手口のほか、契約者への具体的な営業トークの内容、トラブルを引き起こした営業社員の年収や経歴などが記された内部資料を入手した。

 次ページではそれらを明らかにするとともに、なぜ、プルデンシャル生命保険で投資トラブルが相次いだのか、資料を基に紐解いていく。