筆者もぜひ試してみたくサイトにアクセスしたのだが、1日経っても混雑のためにつながらない旨のメッセージが表示された。そのうちに「体験人数の上限に達したため、サービス終了」となってしまい大変残念だったが、運営の想定以上にこのサイトがバズったのかもしれない。

主人公が災難に巻き込まれる
【閲覧注意】の引用ポスト

 わざわざ自分から炎上の当事者になりたい人はよっぽどの物好き以外いないだろうが、SNSを日常的に使いこなす人であれば、どこかで何かが燃えているのは日常的な光景である。

 擬似体験サイトは、実際にこういう「炎上」があると思わせる「あるある」であるから面白く、「燃やされた」側になることによって、親指一つで炎上に加担する現代人の恐ろしさを突きつけていたと言える。

 体験した人の感想コメントの中で「バズる前は褒めるコメントしかないのもポイント高い」というものがあった。

 どうやら、ユーザーが投稿→しばらくは好意的なリプライが来る→バズる→一転して批判的なリプライだらけになる、という流れであったらしい。

 確かに実際の炎上事例でも、問題の投稿をしてしまっても、しばらくは問題視されなかったり、身内からは逆に好意的に受け止められていた、というケースも多い。その後、批判的な界隈に見つかり、一気に炎上する、という流れである。

 実は映画本編も始まりは静かなもので、そこから登場人物の一人の行動により、炎上が始まる。

 大学生の住吉初羽馬(藤原大祐)は、ある不審な投稿を「【閲覧注意】」などと解説をつけて引用ポストする。これが主人公である山縣泰介(阿部寛)がとんでもない災難に巻き込まれる直接的なきっかけとなる。

 山縣は、犯人が仕掛けた巧妙な罠により女子大生を殺した容疑者として疑われ、警察はもちろん、名を挙げたいYouTuberから偶然居合わせた一般市民にまで追われることとなる。テレビの報道では伏せられているもののネット上では山縣の顔と名前が大拡散されているため、おちおちコンビニにも入れないのである。