スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

【異変】職場でしていたら残念な行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

ついやってしまう残念な行動

 デスクワークをしていると、無性に何かを食べたくなるときがある。

 これは、心の底から空腹なのではなく、「何かを食べることで働いている感」をだそうという魂胆であることにも、気づいている。

 目の前のタスクに集中できず、頭が働かなくても、何かを食べることはできる。

 だから、私は自分のデスクにお菓子をストックして、仕事に飽きたら食べるようにしている

 でも、それを繰り返すうちに、「お腹が空いていなくても食べる」のが習慣になっていた。

 そんな経験をしたことはないだろうか?

ハングリーであれ!

 グーグル出身のジェイク・ナップとユーチューブ出身のジョン・ゼラツキーが、多忙な毎日を乗りこなすための戦略をまとめた『とっぱらう』には、空腹についてこう書いてある。

僕が言いたいのは、いつでも食事ができるからといって、いつも食べるのがいいとは限らないということ。(中略)空腹だと食事がおいしく感じられるし、断食には心臓血管の健康維持や長寿、果てはがん発症リスクの低下などの健康効果もあるといわれる。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 つまり、空腹状態をしっかりと作る方が、健康にも良い効果をもたらすそうだ。

 巷では16時間ダイエットが流行っていると聞く。

 その名の通り、1日のうち16時間は何も食べず、それ以外の時間でのみ食事をするらしい。

 ただ、社会人の不規則な予定を考慮すると、実践するには難易度が高いと感じる人も多いのではないだろうか。

ちょっと「断食」をする

 そんなときに、彼らが試していたのは、「ちょっとした断食」を取り入れることだ。

僕は断続的な断食(「ときどき食べない」のしゃれた言い方)を2年ほど続けている。(中略)とくに、朝起きてから(気を散らすものに手を出さず、たいていは食事もなしで)ハイライトに4、5時間取り組むという日課に役立っている。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 私も、年中ダイエットをしようと試みている。

 だが、「断食」と聞くと、言葉の響きの強さも相まって「絶対に食べてはいけない」とつい感じてしまう。

 そういうときは大抵、反動で食べすぎてしまうのだ。

 親からゲーム禁止と育てられた人が、成人してゲームに異常熱中するみたいな、あの現象になる。

 だからこそ、「ちょっとした断食」は「これだったら何となくできそう感」があると思う。

安心してほしい、何日も絶食しろなんて言わないから。試しに1食抜くか、間食をやめるかしてみよう。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 優しい……。「絶対にこうしろ」と言わないあたりに誠実さを感じるが、同時に、これくらい優しく言ってもらわないと何もしようとしない自分のレベルの低さにも驚いた。

 とりあえず試しに、デスクの引き出しに入っているおやつを全部食べてから、ちょっとした断食をやってみようと思う。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)