……水に入れた指は数秒と我慢できないはずですが、油は意外とすぐには熱く感じません。この実験から水は油よりも多くの熱エネルギーを含むことがわかるはずです。
揚げ物ではこの違いが大きな差を生みます。食材を油に入れると外側の水分が脱水されつつ、中心温度は緩やかに上がっていくので、肉や魚に火を通しすぎることなく、ジューシーに仕上がるのです。
フライパンに高さ1cmほどの
少量の油でOK!
肉は魚や野菜と比べると火の通りが遅いので、食材は大きな塊よりもある程度の大きさに切っておいたほうが無難。から揚げの場合は3cm角が目安で、切った鶏肉をボウルかトレーに入れ、しょう油で味付けします。
レシピ から揚げ(2人分)
鶏もも肉…………………………1枚(260g)
しょう油…………………………大さじ1
酒…………………………大さじ2
しょうがのすりおろし…………小さじ1
薄力粉……………………………大さじ3
片栗粉……………………………大さじ3~5
しょう油の量はどれくらいが適当でしょうか?
重量の1%~1.2%の塩分量が目安です。濃口しょう油大さじ1の塩分量は2.6g。つまり、鶏肉のパックの重量を確認し、鶏もも肉1枚の重さが260g前後であればしょう油大さじ1で大丈夫ですし、300g~350gであれば塩少々~ひとつまみを加えて調整すればいい、ということになります。
しょう油の次に酒大さじ2が入ります。アルコールが筋繊維のあいだに入り込み、肉の保水性が向上するので、やわらかくジューシーに仕上がりますし、加熱によって失われる水分も補えます。
香り付けにしょうがのすりおろしも加えましょう。しょうがの代わりににんにくを使っても結構です。ざっくりと混ぜて全体に絡めば大丈夫です。
フライパンに高さ1㎝ほどの油を準備します。これは少ない油で揚げる「シャローフライ」という方法です。ちなみにたっぷりの油で揚げる「ディープフライ」と「シャローフライ」を比較すると、から揚げに関しては味の差が出ないことが報告されています。
ボウルの鶏肉に薄力粉大さじ3を加え、ざっくりと混ぜてから、表面に片栗粉をまぶします。衣に粉を2種類使うのは小麦粉(薄力粉)の層が鶏肉から出る水分を吸うので、片栗粉の衣にカリッと感が出るから。







