
業界では大御所ともいえる人気イラストレーターの江口寿史氏が突然、大炎上した。これまでに江口氏のイラストを採用した企業が相次いで事実確認中である旨のコメントを発表する事態となっている。ネット上ではこれまでも漫画家やイラストレーターの「トレパク」が発覚し、炎上してきた。現代において、これほどまでにトレパクが人の関心を誘うのはなぜか。(フリーライター 鎌田和歌)
どうみても「そのまま」のイラスト
本人から連絡があり許諾を得る
まず簡単に騒動の経緯をおさらいしたい。
10月3日、イラストレーターの江口寿史氏が「中央線文化祭」のポスター(告知ビジュアル)に使われたイラストについてXに説明を投稿した。現在この投稿は削除されているが、インスタに流れてきた完璧な横顔(写真)を元に描いたが、モデルとなった本人から連絡がありその後のやり取りで許諾を得た、という内容だった。
江口氏は1970年代から活動する大御所とも言えるイラストレーターで、現代的でファッショナブルな女性画が幅広い世代から支持されている。
江口氏は9月26日頃から「中央線文化祭」ポスターの紹介をしており、時系列やSNS投稿などから見て、このポスターが掲示されたことに気づいたモデルの女性(金井球さん)が、主催のルミネ荻窪に問い合わせたという経緯のようだ。
金井さんが数年前にSNSにアップしていた横顔の写真を元に江口氏がイラスト化しており、イラストはどう見ても「そのまま」に見える仕上がりとなっていた。
本人同士の間で確認があり、金井さんの投稿によれば、ほくろを描き足すなどの「誠実なご対応」があって「クレジット入れてもらって使用料もいただきました」とのことだが、ネット上では批判が相次いだ。
なぜか。