やってはいけないこと②
「報連相」を怠ること

2つ目にやってはいけないことは、「報連相(報告・連絡・相談)をしない」ことです。仕事を抱え込みがちな人は、この報連相が苦手な傾向にあります。

なぜ「報連相」ができないの?

では、なぜ報連相ができないのでしょうか。その背景には、「こんなこともできないと思われたくない」「評価を下げたくない」「上司の時間を奪うのは申し訳ない」といった、他者からの見え方を気にしすぎる気持ちがあります。

相手を気遣うあまり、ギリギリまで問題を一人で抱え込み、どうにもならなくなってから状況が発覚するというケースは少なくありません。そうなると、上司から「なぜもっと早く言わなかったんだ」と叱責され、かえって評価を下げてしまうことになりかねません。

上手な「報連相」のコツ:
タイミングを先に宣言する

報連相を上手に行うコツは、報告するタイミングを「あらかじめ宣言しておく」ことです。そうすれば、「いつ言おうか」「忙しそうだから後でにしよう」などと悩む必要がなくなります。タイミングの宣言には、主に2つのパターンがあります。

1. 期間で宣言する
仕事を引き受ける際に、「この件につきましては、毎週月曜日に進捗をご報告します」といったように、定期的に報告するタイミングを決めます。こまめに状況を共有していれば、たとえ進捗が思わしくなくても、いきなり責められることは少なくなります

2. 段階で宣言する
「まず下書きができた段階で、一度内容をご確認いただけますでしょうか」というように、業務の特定のフェーズで報告・相談することを伝えます。これにより、早い段階で方向性のズレなどを修正でき、手戻りを防ぐことにも繋がります。

まとめ:自分と周囲を守るための仕事術

仕事をついつい抱え込みがちな人がやってはいけないことは、「安易な即答」と「報連相をしないこと」の2点です。これらを改善するだけで、ご自身の仕事の状況を周囲に正しく理解してもらい、業務を抱え込みすぎるのを防ぎ、結果としてご自身の評価を守ることにもつながります。

仕事では、自分の責任ではない予期せぬトラブルも起こり得ます。しかし、状況の報告を怠ったり、明らかに遂行不可能な仕事を引き受けたりすれば、それは自分の責任問題になりかねません。今回紹介した方法が、ご自身と周囲の双方にとって不幸な事態を避けるための一助となれば幸いです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。