欧米人の足が長いのは
正座をしないから、は本当?
私自身の意見を言えば、それは的外れな言いがかりです。
まず、今の子どもたちは足だけが長くなったわけではありません。
日本人の小学6年生男子の平均身長を調べてみたところ、1950年代で134.5センチ、1980年代で142.8センチ、2010年で145.0センチでした。
つまり、最初が祖父世代、真ん中が親世代、最後が子どもの世代だと考えれば、ひと世代ごとに身長は伸びているのです。これは食生活の変化が第一の理由です。栄養状態が大幅に改善されたことによって、身長も伸びたというわけです。
「欧米人の足が長いのは、正座をしない生活だから」という声もあります。
しかしそちらも、間違いです。
これは正座うんぬんの問題ではなく、そもそも骨格の問題。しかも、スポーツ選手などをよく見ていると、身長の高さと比較して、特別に足が長いわけでもありません。バスケットボールの選手などは、よく観察してみるとわかりますが、かなり胴長です。なぜなら、常に上半身を伸ばしてジャンプする動きを繰り返していますので、胴が伸びてしまうのです。
ですから、「子どもの足が短くなるといけないから、正座はなるべくさせない」というご心配はいりません。むしろ、子どもの頃から正座をしていたほうがスタイルはよくなるのです。