これはもしかして……ゴルゴ13に狙われるかも?

 そんな妄想も湧いてきます。

 使わずに持っていてもしょうがない。特許のマネタイズ方法は3つです。

1.自分で実施(他社については差止めし、自分でソフトウェアを販売)し、収入を得る
2.ライセンス(使用権)を他者に許諾することで収入を得る
3.特許を売却する

 今回はどの方法でマネタイズすべきでしょうか?シミュレーションしてみました。

自社で実施した場合
どうなるか?

 自社で開発したアプリをiPhoneやAndroidで使えるようにアプリストアに載せて、他社には使わせないように差止めします。どうでしょうか。

 デフォルトの文字入力(5タッチ)よりも速く打てる!と雑誌などで取り上げられれば、ダウンロードしてくれる人もいるとは思いますが、やはり、最初からインストールされていないと、デファクト・スタンダードになることはできないでしょう。

 また、差止めについては、既にフリック入力を搭載しているスマホを出荷できなくしてしまうということですから、AppleやGoogleにとっては大変な打撃です。なので、抵抗してくることが考えられます。

 普通に考えると、特許が存続する20年にわたってライセンス収入を得る方が良さそうです。しかし、なかなかそう思い通りにはいきません。

 特許を取ると自動的に「毎年莫大なお金が入ってくる」と思う人が多いのですが、じつは、そう簡単じゃないんです。

 おとなしくお金を払いたい企業なんてないのです。こちらから「お金を払ってください」と言ったとしても、まずは、無視されます。大企業には毎日このような手紙が届くので、いちいち相手にしていられない、という事情もあります。

ライセンス収入を得るには
高すぎる壁があった

 無視されたらどうすればいいか。こちらから裁判を仕掛けるしかありません。「A社がうちの特許の製品を勝手に出しているから、差止めし、損害賠償を請求する」という内容で、訴状を裁判所に出すのです。弁護士費用も含め1件で数十万円ほどかかります。