
日産復活の糸口となるか?
新型EVリーフを発売
日産自動車が8日、電気自動車(EV)「リーフ」を8年ぶりに刷新して、日本国内で販売することを発表した。新型リーフは、経営再建に向けた日産の世界戦略車の第1弾として位置付けられ、まさに“社運を懸けた”市場投入となる。
3代目となる今回の新型リーフは、次世代のクロスオーバーEVとして全面刷新。2010年に発売された初代リーフから15年間、グローバルで70万台以上(日本で18万台)販売して積み重ねたEVの知見を最大限に生かして開発されたモデルだ。
具体的には、容量78kWh(キロワット時)の電池を搭載し、航続距離は最長702kmと現行モデルから5割増加させた。わずか15分の充電時間で250kmの航続が可能といい、EVの難点である航続距離と充電時間に対応した。また、価格も518万8700〜599万9400円と抑えた。補助金も活用すれば「430万円程度から(購入が可能)となる」(磯部博樹チーフビークルエンジニア〈CVE〉)とし、さらに「来年2月頃には55kWhの電池を搭載した普及モデルも発表する予定で、こちらは350万円程度となる」(同)と、2段構えの価格戦略を示した。
日産にとってリーフは、元々大きな期待を背負って開発されたクルマである。10年に発表された初代リーフは、当時のカルロス・ゴーン社長が「ゼロ・エミッション時代に先駆けて、日産の技術を結集させた日産初の量産EVだ」と意気込み、日産がEV戦略で世界覇権を握る野望を披歴した。