優劣を決めてしまったら
楽しかった2週間が台無しになる

 さあ、ついに迎えた閉鎖環境での最終日です!

 互いがライバルでありながらも、宇宙への熱い思いをわかり合える仲間と過ごした2週間は、六太にとってかけがえのない時間となっていました。

 しかし最後の課題は、5人のなかから全員が納得する形で2名を選ぶこと。

 それぞれが苦悩するなか、六太は幼い頃にシャロンから言われた「どっちが正しいかじゃなく、どっちが楽しいかで決めなさい」という言葉を思い出します。

 そこで六太が提案した選出方法とは、なんとジャンケン。これは、ジャンケンが楽しいと思ったのではなく、「楽しい2週間を、楽しい5人のままで終わらせたい」という思いからでした。

 しかし、やっさんはこれに猛反対し、じつは5人の全課題の成績をつけていたこと、自分は最下位だったことを告白します。そして上位2名の名前を発表しようとしますが、これを制したのは、常に冷静にハイスコアな成績を残していた新田でした。

 これにより、A班はジャンケンで勝った2名を選抜者とすることに。たった1回で決まったその2名は、六太にとって、まるで最初から「勝つのはこのふたり」と思わせるものでした。

 一方、すでに点数制と決めていたB班は、グリーンカードで出された指示によってパソコン内の得点データが消されていたものの、溝口が記憶を頼りに再計算し、なんとかデータを復活させます。

「目に見える差が必要なんですよ。仲良しこよしでは決めづらくなるだけ」と言う溝口のこの言葉に、最後までわだかまりを消すことができないケンジでしたが、彼もまた、六太と同様にその結果を静かに受け入れることに――。

 六太をはじめとするA班5人の絆に感動し、静かに熱い涙を流しながら読んだファンも多いであろう、閉鎖環境エピソードのクライマックス。

 誰が選ばれたのかはあえて書きませんが、「この5人なら、誰が選ばれてもおかしくない」と全員が思っていたからこそ、受け入れられた結果なのだと思います。