愚痴が人間関係に与える悪影響

もし、愚痴を言う相手を選ばないと、結局は愚痴を言った本人が損をすることになります。「あの人はネガティブで愚痴っぽい」というレッテルを貼られ、人から誘われなくなったり、嫌われてしまったりするのです。

人間関係が切れても構わないという考え方もありますが、それは非常にもったいないことです。知り合ったばかりの人や、これから親しくなれるかもしれない「素敵な人」とのチャンスを、不用意な愚痴で潰してしまう可能性があるからです。

信頼関係が深まる本当の瞬間

実は、人間関係が最も深まる瞬間の一つは、「愚痴を言いたい気持ちを、相手への思いやりから必死に我慢している姿が伝わった時」です。その姿勢が相手に伝わることで、信頼に基づいたいい関係が築けるのです。

そうした段階を経て親しくなり、信頼関係が深まった先に、お互いに愚痴を言い合える関係性が生まれます。最初から誰にでも愚痴を言ってしまうと、この大切なプロセスを飛ばしてしまい、関係が深まる機会を失ってしまいます。

まとめ:素敵な人だと思われるための愚痴との付き合い方

結論として、人間関係を良好に保つためには、愚痴の取り扱いに注意が必要です。

愚痴を言う相手は、ごく親しい特定の人に限定する
それ以外の人、特に初対面の人や「良い人だな」と感じる相手には、決して愚痴を言わない
相手から「聞くよ」と言われても、本心では嫌がっている可能性を考えて、安易に話さない

このルールを守るだけで、あなたの印象は格段に良くなり、周りから「素敵な人だ」と思われるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。