校訓は「勉学・創造・規律・勤労・敬愛」
校是は「文武両道・質実剛健」

 小倉高校の前身は、1908年に設立された福岡県立小倉中学校だ。幕末、小倉藩15万石の小笠原家は長州征伐で高杉晋作率いる奇兵隊などに敗れ、小倉城は落城した。そのため小倉は明治新政府から厳しい目を向けられ、福岡県内の旧制中学の中では開校が遅かった。

 戦後の学制改革で、男女共学の新制小倉高校となった。1960年までは商業科があったが、現在は普通科のみだ。男女の比率はほぼ1対1だ。

「勉学・創造・規律・勤労・敬愛」の校訓にのっとり、「文武両道・質実剛健」を校是としている。

 05年度から15年間にわたって、文科省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けてきた。現在もそのノウハウを活かして九州大、九州工業大、地元企業などの協力を仰ぎ、環境、先端技術などをテーマに講演会、現場見学、グループディスカッションによる探究活動などを、精力的に行っている。

 1~3年生全員が大学の入試問題を意識した「朝講習」という補習を、受けている。2、3年生には放課後にも補習がある。大学進学は「行きたい大学、学部を目指せ」という指導をしている。そうしたこともあり、卒業生の4分の1が浪人する。

 2025年春の大学入試(25年4月入学)では、現役、浪人合わせ東京大2人、京都大5人、一橋大1人、北海道大2人、大阪大6人、九州大53人、山口大16人、九州工業大に16人が合格した。公立大には、北九州市立大7人、大阪公立大6人など。このうち、国公立大医学部医学科に12人が合格している。

 私立大合格者は延べ人数で、早稲田大8人、慶応大4人、西南学院大33人、福岡大49人、立命館大38人、同志社大35人などだ。

学者・研究者として
活躍する卒業生たち

 学者・研究者では、マルクス経済学者の向坂(さきさか)逸郎が旧制八女中学(現福岡県立八女高校)から旧制小倉中学に転入してきた。

 考古学者で、京大教授、奈良県立橿原考古学研究所所長などを歴任した樋口隆康も旧制卒だ。シルクロードの遺跡調査や古代の鏡の研究で知られた。