「帰ります」の次に
出てくる発言は……?
「帰ります」と言われてしまった時も、基本スタンスは中立に行きましょう。
「我々としてはさっき言ったように、従業員の方々みんな大事な従業員だと思っているので、なんとか守りたいと思っています。
ただ何らかの問題が起きているということ自体は事実だと思うので、問題を解決する必要があります。そのためには事実関係を一方からだけじゃなくて、あなたの方からのお話を聞きたかったです。だけど、『もうここにいたくない』と言われてしまうと、我々も話が聞けないので、今手元にある状況証拠だけで判断せざるを得ないです。それを納得してくれとは言いませんが、理解してください」
そのように言うと、逃げればどうにかなるわけではないんだということが伝わります。あくまで、「我々はあなたに強制的に話をさせることはできないから、任意でお話を聞きたい」というスタンスです。
この辺まで来ると、頭の中でぐるぐる考えている様子が見えますが、だんだん諦めの表情になってくるのがわかります。
おそらく、思考停止に近い状態に陥っていて、最初に覚えてないなどと嘘を言ってしまったがゆえに、これ以上話したら不利だなという結論に至るのではないでしょうか。二の句が継げない状態になってしまうのです。
それでも、ここで「私が悪かったです」という人は少ないです。逆に「あいつが悪いんだ」というパターンも少ないです。
だいたいみなさんが言うのは、「どうなるんですか私?」という今後の不安です。そんな時は「今日はそれを判断するためにお話を聞きたいんです」と返しましょう。
保身に走った場合は
粛々と次のステップへ
実際のResgentの現場では、似たようなやりとりを何度も繰り返すので、ここまでで1〜2時間ぐらい経過しています。このあたりで一旦、ブレイクを入れましょう。
 『「円満退職請負人」が教える!全員が幸せになる「トラブルなし」で問題社員に1ヶ月で辞めてもらう方法』(西脇健人、翔泳社)
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ちなみに、最後の(5)「そんなつもりはなかったんですよ」と保身に走る場合には、これまで見てきたような対応は必要ありません。
すでに「やったことは認めている(が悪意はなかった)」という状態ですので、その後に続く「言い訳」を聞き流しつつ、粛々と次のステップに進みましょう。
1つポイントがあるとすれば、ここでの「言い訳」は遮らずに聞いてあげることです。それによって、その後のやりとりがスムーズになることが多いので、ここでガス抜きをしてあげるようにしましょう。







