「あなたも他の従業員も平等」
そんな姿勢が大事
パワハラが記憶にないと言われた時の切り返し(前ページからの続き)
 
そこまで言うと、かなり追い込まれてきます。
問「いや、恨まれる理由はありません」
 
弁「そうですか、わかりました」
弁「証言者もあなたも言っていることがぜんぜん違うとなると、あなたも大切な従業員だし、他の方も同じように大切な従業員なので、あなたの言うことだけを信じるわけにもいかないし、他の従業員の言うことだけを信じるわけにもいかない」
「そうなってくると、一般論として、会社の立場上、物的証拠との整合性もある複数名の従業員が言っていることを信じざるを得ません。そのことは納得してくださいとは言えないけど、理解してほしいです」
 このように話し、「もうごまかせないのだ」と頭の中で理解させます。
 はじめのうちは、言わなければ証拠はないだろうと思っていたが、どうやらそうではないらしいと思わせること。
 会社としては、パワハラの現場を見たわけではないから、何が正しいかはわからないけれど、従業員を全員平等に大事に扱っているからこそ、「あなたの言葉も他の従業員の言葉も同じ重さですよ」というスタンスを理解してもらうのが、とても大事だと思います。
 問題社員だからといって「お前の言うことは信じられない」とは決して言いません。
私の経験上、ここまで話ができた時に反論されたことはないです。と言いますか、まともな反論はできないと思います。
もし、反論してくる人がいたら、
「逆の立場で考えてみてください。あなたが何か会社に苦情を申し入れしたとします。その時に『会社がお前の言うことなんか信じられない』と言ったらどう思いますか。それは会社としてあるべき姿勢ではないと思いませんか。我々としては、他の従業員の方も同じように大切な従業員だと思っているからこそ、その申し入れには耳を傾ける必要があると思っています」
ここまで言うと、この先反論した人は今のところ見たことがありません。続けて、
「だから、事実を確認するために、今日こういう場を設けているんですよ」
と言うと、追い込まれてしまうのか、「もう私帰ります」とか「黙秘します」と言って逃げようとする人もいます。







