
牛乳を「20銭」は高すぎる
タイトルバック明けで、しじみ売りをしているトキ。なみ(さとうほなみ)に「すごい先生です。自由きままで鼻も高くて」と報告。なみはトキを「おトキ探偵」と呼んでいる。
「おなごの趣味は?」と問われて「聞いてない」。ただ「好きな男はわかった」「お侍が好き」。どんな調査だ。なみは「それは知らなくてもいいかな」と興味なさげ。当たり前。でも、お侍の話題で親しくなるという手もないことはないと思う。
なみが英語の手紙をトキに手渡す。そしてまたお金も。
それを背後で番頭が見張っている。足抜けしないか疑っているのかもしれない。のんきに見えるが意外と女郎界は厳しい世界なのではないだろうか。
トキは花田旅館に行く。記者の梶谷(岩崎う大)とトキがまるでライバル記者のように並んでヘブンを観察しメモる。
朝ごはん。ヘブンは卵をいくつも丸のみ。エネルギー旺盛そうに見えるのは食生活によるものか。
だが、強そうに見えて虫が苦手で、糸こんにゃくを虫と思いこんで怯える。みみずにでも見えるのだろうか。ヘブンのモデル小泉八雲は蛇や蛙が好きだったらしいのだが、蛇や蛙はありで糸こんにゃくみたいな虫はなしとは、どういう基準なのか気になる。
そこへ司之介(岡部たかし)が牛乳を売りに来た。言葉がわからないヘブンとどうコミュニケーションをとっているのか司之介が聞くと、ツルと平太(生瀬勝久)は「雰囲気で」「なんとなくの雰囲気で」と、ひょうひょうとしている。梶谷は高学歴(記者)だから英語がわかる。
芸達者な生瀬勝久と池谷のぶえ。ふたりが入ったことで場がみるみる活気づく。
司之介は牛乳を「20銭」と値をつりあげる。
『明治大正昭和値段史年表』(朝日新聞社)によれば明治20年の牛乳(1本180cc)は3銭! 明治34年でも4銭だからボッタクリにもほどがある。
平太の宿泊費といい、ヘブンはカモにされている。







