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身近な業務を少しずつ良くしていく「カイゼン」。製造現場で生まれたこの手法は、いまやサービス業やオフィスワークでも力を発揮している。その実践法を知れば、経営の景色が変わるかもしれない。派手さはなくても確実に効き、会社をじわじわ強くする“底上げの一手”に迫る。※本稿は、神農将史『後継ぎ経営者のための70点経営 地味な積み重ねが、人と利益を引き寄せる』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
「カイゼン」or「サービスを生み出す」
二者択一の問題ではない
皆さんの会社はカイゼン活動(編集部注/生産現場または会社業務の継続的な効率化を通して、生産性や品質の向上を目指す“改善”活動のこと)をしているだろうか。製造現場にしか適用できない手法だと思われがちだが、実態は違う。サービス業はもちろん、オフィスワークが主体の会社でも、カイゼンは有効だ。
カイゼンの神様と称されるコンサルタント、山田日登志氏はよく「現場は宝の山」と話す。ムダを取った分だけ利益が増えるからだ。
こんな話をすると、反論をもらうこともある。会社が成長し続けるためには、特別な商品・サービスを生み出し続けるべきだというものだ。この考えを基に「カイゼンは、優れた商品を作れない会社が仕方なくやる、次善策だ」と後ろ向きな反応をする経営者もたしかにいる。
「カイゼンをするか」「特別な商品・サービスを生み出すか」は、二者択一の問題ではない。両方とも追うべきものだ。特別な商品・サービスの開発が成長の原動力になるという話はその通りだ。
しかし、そうした商品の開発自体も、販売が軌道に乗るまでの期間は、ただただ出費が続く。







