責任を他者に転嫁する「他責グセ」の人写真はイメージです Photo:PIXTA

何か問題が起きても謝らず、責任を他者に転嫁する「他責グセ」の人。一見すると身勝手に見える彼らの行動には、実は過剰な自己保護という心理メカニズムが隠されている。弱い相手を攻撃する、正義をふりかざす、変化を嫌うなど、他責思考に陥る人の7つの特徴を分析し、背景にある複雑な心の状態を、カウンセラーの小日向るり子氏が解き明かす。※本稿は、小日向るり子『何でもまわりのせいにする人たち』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。

謝ることができない
――「他責グセ」のある人の特徴(1)

「他責グセ」のある人のパーソナリティーを深掘りしていきたいと思います。

 他責思考の人には、どのような言動の特徴が見られるのか、そして、その裏にある心の状態はどのようになっているのでしょうか。大きく7つの特徴があると私は考えています。

 あなたのまわりにいる「他責グセ」がある人の言動を思い出してみてください。謝らない人が多いのではないでしょうか。あるいは、謝ったとしても、上辺だけで本当は反省などしていないことがバレバレだという人もいますよね。

 他責グセのある人は、自分が犯した過ちに対しても、先述した防衛機制の合理化が働きます。つまり、

「自分が過ちを犯してしまったのは、○○のせいだ」

 というのが基本的なテンプレートで、この○○の部分に親、政治、会社などが入ります。

 過ちの原因は他人や環境にあるのですから、彼ら自身は正しい。したがって、当然、謝るという選択肢は出てきません。

 また、過剰な自己保護が働く人の場合は、罪を認めることで受ける罰や非難が怖いという思いも人一倍強く働くため、謝罪ができないどころか、嘘をついて回避するケースも見られます。