知ったのは知人からそういうアニメがあると聞いたからで、これは去年からテレビ東京で放送されているらしい。アニメでは種族を超えた異種格闘技っぽくなっていて、動物と恐竜と昆虫(必要に応じてある程度巨大化)がタイマンでバチバチにやりあっている。
「かかってこいや」のオープニング曲が
安心感を与える
絵柄はCG仕上げでそこそこリアルであり、草食動物も昆虫も皆「死力を尽くして眼の前の相手を倒す」姿勢でバトルに挑んでいて、その擬人化された精神性とリアルな絵とのギャップがすでにシュールである。
勝敗の行方はその生き物のスペックをもとに決定されるようで、大どんでん返しよりかは納得感のある決着がなされる傾向が認められる。しかし一方的な展開にはならず、攻守が二転三転するので見どころがある。たとえば私が見たものでは、首と尻尾を振り回して無敵の立ち回りを見せる巨大な首長恐竜に対してワシが岩で爆撃を仕掛けていた。
オープニング(OP)曲も大変よろしい。歌詞は著作権の都合でここに詳しく書けないが、「なんかかっけーしとりあえずテッペン決めようぜ。かかってこいや」といったような内容である。
シリアスだがどこか明らかにおかしくどうツッコんでいいかわからないアニメ本編に対して、OPが「こういう姿勢で見ればいいんですよ」と示すことで視聴者に安心を与える構造になっている。
何しろ、「どっちが強いか決めようぜ」という、子どもから大人にまで備わっている最強たる存在への原始的な憧れに訴えかけるコンセプトは、極めてシンプルで低年齢層にも理解されやすい。特に低年齢層の男児は日がなパンチ・キックや必殺技を虚空に向かって、あるいはお父さんに向かって繰り出して過ごしているくらいのものであるから、むしろ「最強王」がピンポイントで刺さることもある。
保護者目線でこのコンテンツがもたらす教育的効果には、これをきっかけに「字を覚えた」「生き物の生態に興味を持ち始めた」「他の一般的ないきもの図鑑も読むようになった」などがある。まあ予想の及ぶ範囲内であろうか。
だが保護者にメリットをもたらすのも「最強王図鑑」のすぐれたポイントである。







