譲歩可能なところ
絶対に譲れないところを明確に

 Win-Winを目指すに当たっては、「痛み分け」という考え方も大切になります。

 つまり、譲歩可能な部分があるならば、それを最大限に伝えましょう。

 それはすなわち、「譲れない部分は、絶対に譲れない」という線を引くことでもあります。

 例えば、

・ 料金プランは3カ月後に変わってしまうが、その後、6カ月間は、現在と同じ料金になるように特別割引を提供する
・ 仕入れ価格を引き下げてもらう代わりに、他の商品の納入もお願いする(総取引を増やす)
・ 単価引き上げに応じてもらえるならば、今後の新商品在庫の優先提供を約束する

 などが、相手にとって受け入れやすい条件を提示しつつ、こちらの要望を明確にした提案です。

 仕事は、中長期的な関係構築が大切です。お互いに気持ちよく仕事をしていけるようにしなければいけません。

 こちらの都合だけを一方的に押しつけていると、こちらが困った場合に、助けてもらうことはできないでしょう。

 できるだけ相手の立場を想像して、相手が飲み込みやすい譲歩ポイントを探すようにしていきましょう。

「自分にはどうしようもない」と
伝えることも

 絶対に譲れない部分について相手に理解を求める場合には、「自分も巻き込まれている」「自分には、どうしようもない」というような表現を使うことも有用です。

 担当者レベルで決められることには限界があり、会社の方針によって決められてしまうことが多いのは事実です。

 一般的に、こうした交渉に際しては、相手も会社組織に所属しているわけですから、こうした事態には理解を示してくれるでしょう。

 ただ、「責任逃れ」に聞こえると、嫌われてしまいます。