上司や会社だけを悪者にして、自分には全く責任がないかのように振る舞うのではなく、自分自身も申し訳なく思っていることは伝えるべきでしょう。

 その上で、契約条件やサービス内容などに関しては何もできることがない状況であることを伝えつつ、相手の立場に寄り添って考える姿勢を見せると良いと思います。

 例えば、

「本当に心苦しいのですが、サービス変更は決定事項ということで、どうしようもない状況です。〇〇様には長年ご利用いただいているので、特別条件を出せないかなどは社内で確認したのですが、今回は全てのお客様に一律で適用するという全社方針だとの一点張りで、ゼロ回答しか出てこず……ほんとうに申し訳ないです」

 というような形で、譲れない点は明確にしつつ、心理的に寄り添うことに徹するわけです。

 また、あくまでもうそはつかず、本当のことを言うようにしましょう。

 先ほども述べたように、中長期的な関係を築いていくことを目指すのに、うそをついたり、信頼を失うようなことをしたりするのは避けるべきです。

・ 相手に取ってのメリットを可能な限り探す
・ うそはつかず、真摯な態度・姿勢を示す

 顧客も、納入業者も、部下も、みんな「人」です。

 みな、それぞれの事業があり、抱えているKPIがあり、一人一人の生活があります。

 そうした状況を踏まえた上で、お互いの落とし所を探っていくのが、仕事上のコミュニケーションです。

 もちろん、そんなに簡単に説得できないこともあるでしょう。

 そうした場合は、無理に相手を説き伏せようとせずに、あくまでも「事実関係の理解」をしてもらうように努めます。

 説得ではなく、納得を得ることを目指していきましょう。