ふるさと納税が「ただの浪費」になる人と「資産防衛」になる人の“決定的な違い”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「使っていないのにお金が全然貯まらない」「もっとお金を増やさないと将来が不安……」お金に関する悩みを抱えている人は少なくありません。ここ数年、日本はインフレに突入しています。資産形成における対策を何もしなければ、あなたのお金の価値は相対的に下がってしまいます。でも、大丈夫。今からでもできることはあります。本稿では、資産防衛術のうちの「年収の壁」と「ふるさと納税」について解説します。

※本稿は、永江将典『最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

税金は一生あなたの資産を減らし続ける

 結論から言いましょう。

 最高の資産防衛術は「節税」です。

 でも、「税金? あまり興味ないよ……」という人も多いかもしれません。じつは、かくいう私もそうでした。

 大学卒業後すぐ公認会計士と税理士の資格を取得した私は、知識だけは人一倍ありながらも、自分が支払う税金には無頓着でした。サラリーマン時代は年末調整の紙をもらってもろくに読まず、すぐに名前だけを書いて提出していた時期もありました。

 しかし考えてみれば、税金は一生支払い続ける固定費です。

 短期で見ればそれほど高くないと思っていても、生涯で見ればかなりの金額を、あなたの資産から差し引いてしまいます。

 逆にいえば、節税効果も累積するということです。

 たとえば毎年5万円でも節約できれば、30年で150万円も支出を減らすことができます。今後も増税傾向が続くことを考えれば、その効果はもっと高まるでしょう。

 だから節税はあなどれません。

 あなたの資産を守る強い武器になりますので、これまで敬遠していた人も、これを機にしっかりと知識を仕入れておきましょう。

「年収の壁」を意識するメリット

 税金といえば、2025年から「年収の壁」が引き上げられました。

 この年収の壁とは、「これ以上稼いだら、国に所得税を払ってもらいますよ」という線引きのことです。これが低いと、ちょっと稼いだだけですぐ税金を持っていかれることになります。

 扶養に入っているなどで意識している方も多いと思いますが、「給料の額は自分で決めているわけではないし……」と、あまり意識していない人もいると思います。

 また「なんとなく知っているけど、詳しくは知らない」という人も多いことでしょう。

 それは、もったいないことです。

 というのもこの壁を意識することで、扶養控除を使って節税を行ったり、社会保険を節約したりすることができるからです。

 たとえばこれまでの例では、あなたの配偶者の収入が「103万円だった場合」と「104万円だった場合」の違いは、1万円ではありません。じつに7万円もの差になります。