ですが実際には、そこから反対意見が始まることは稀で、たいていの場合は単なる自分の意見だったり、下手すると、まったく同じ話だったりもします。
相手としては、当然、反発を覚えます。意見を否定されたような気持ちになり、「何?」「文句あるの?」と、構えてしまいます。
さらには、「一応謙虚に耳を傾けよう」と思い直し話を聞いてみたら、全然「逆」じゃない。むしろまったく同じ話だったりする。これまた、自分の話を盗まれたようで釈然としません。
「いや」「逆に」で話し始めると、簡単に相手の興味を引きつけられます。だから、むやみに多用する人が多いのです。
言ってる本人としては「えーと」ぐらいの口グセで、たいして意味を込めてないことがほとんどでしょう。
キャッチボールで言うなら、こっちが投げたボールに対していちいち、「違う」「そうじゃない」と言わんばかりに首を振るようなもの。それでいて、あっちからは同じようなボールが飛んで来るのですから、「何が違うんだよ」と不満が溜まります。
一度肯定してから
話を始めるといい
○「それで言うと、営業部から人を回してもらえないの?」(たしかに!)
○「そうしよう!ちなみに、気をつけて欲しい点としては~」(了解です!)
○「私、思うんですよね~」(何、何?)
会話IQが高い人は、相手の話を一度受け止めます。
「なるほど」「たしかにそうですね」と、相手の話を肯定してから自分の話を始める。注目を集めようと、むやみに「逆に」「しかし」と言わないのです。
仮に反論したい場合でも「なるほどそうかもしれません。ですが」「たしかにそういう面はありますね。いっぽうで」と、話を受けとめてから反論する。これを「yes,but」話法と言います。
これをひと言で実現できる便利なフレーズが、「それで言うと~」です。
きちんと受け止めている上に、「関連した話をします」という雰囲気が出るので、相手は耳を傾けやすく、仮に反論だったとしても不思議とイヤな気持ちになりません。







