身のないしじみ汁
 なみはヘブンに昼間のこと(家事)もできると手製のお弁当を持ってきた。見た目もきれいで、おいしそうなお弁当で、ヘブンもおいしいと満足そうだ。
 これは好感触と思ったのか、なみは自分が百姓の娘で……と身の上話をしはじめた。すると、ヘブンの表情が変わる。
遊郭の一室での、お見合い(?)のようなとき、手前に布団が敷いてある。これをわざわざ映している感じに意図を感じてしまう。それはさておき、その頃、トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)はしじみの身の入っていないしじみ汁を飲んでいた。
 司之介(岡部たかし)は不満そうだが、しじみをひとつ残らず売らないと借金を返せないのだ。
 借金とりが厳しくなったため、フミ(池脇千鶴)までしじみ売りをはじめていた。
 トキはしじみを売りすぎて、ヘブンから「しじみさん」と呼ばれるようになっていた。
いまさらそんな感じなの? と視聴者は思うだろう。松野家には危機感がなく、なんだかのんびりしている気がする。とりわけ司之介。牛乳の配達をしているが、時間どおりに間に合わないこともしばしばの様子。第26回で指摘された勘右衛門(小日向文世)の働いていない問題もそうで、松野家の困窮には切実さが薄く、どこか貧乏コントのようだ。まあ、あまりに困窮を描いても朝からしんどいとは思う。
そこへ錦織が訪ねてくる。呼び出されたトキは、錦織の持ちかけに「え」となる。









