好かれたければ
身銭を切ればいい
金払いのいい人は好かれますが、ケチな人は嫌われます。
このルールに例外はありません。
どんなときにも気持ちよくサッとお金を払える人は、ほぼ確実に好ましく評価されるのに対し、なかなかお金を払ってくれないような人は、そのうちにだれからも相手にされなくなります。私たちは、ケチな人が大嫌いなのです。
「そんなことを言っても、たいしてお金に余裕があるわけでもないし…」と思う人がいるかもしれませんが、それは言い訳にすぎません。どれくらいのお金を稼いでいるのかと金払いがいいことは別次元の問題だからです。
そんなに給料が高いわけではなくとも、金払いがいい人は、他人に対して気前よくお金を使います。もしお金が無くなってきたら、自分に対する出費を控えることで帳尻を合わせます。
自分にも欲しいものがたくさんあるかもしれませんが、そちらについてはお金を使うのを我慢し、他人に対しては喜んでお金を使うのです。
金払いがよく、みんなに好かれる人は、人に対してどんどんお金を使います。みんなで食事をするとき、金払いのいい人は会計時にすぐに自分の財布を取り出しますが、ケチな人はなかなか財布を出しません。しかも、自分の分のお金を出すときに露骨にイヤそうな顔をするのです。
みんなでワリカンをするときもそうです。好かれる人は、きっちりワリカンをするのではなく、他の人よりも「いつでもほんの少し多めに」払います。1人分が3800円なら自分は5000円を出します。ほんのわずかですが、奢ってあげるわけですね。
そういう人は好かれますし、次に飲み会があるときにもまた誘ってもらえ、人脈のネットワークがどんどん広がっていくのです。
ハワイ大学のブレイク・ヘンドリクソンは、とあるバーで他の人にお酒を1杯奢っている場面(あるいは奢らない場面)を映したビデオを作成し、それを115名の大学生に見せ、どれくらい好意を感じるのかを聞いてみました。すると、お酒を奢っている姿を見せると好ましく評価されることがわかりました(※1)。
ヘンドリクソンはビデオに登場する人物の職業を、一般にお金持ちだと思われている「医者」と、それほど裕福だとは思われていない「門衛」という職業を変えた条件をつくって比較もしているのですが、裕福でない門衛が身銭を切ってお酒を奢ると、さらに好ましく評価されることも明らかにしています。
人に好かれたいのなら、ちょっぴり奢ってあげるという心がけが重要だと言えるでしょう。
そういうわけで、もし「飲み会の途中で帰宅」したいのなら、全体の会計がどれくらいかをさりげなく頭の中で計算し、次のような一言を残して退席するのがおススメです。
「会計がいくらになるのかわからないけど、僕の分はこれで」
そう言いながら、明らかに自分で飲み食いした分以上のお金、つまり自分が3000円くらいしか飲み食いしていないとわかっていても、5000円なり、1万円なりのお札を残してその場を離れるのです。これならば途中で帰宅しても、他の人はだれも文句を言いません。むしろ、全員に少しは奢ることになるでしょうから、「あの人って金払いがよくて、カッコいいよね」と自分の株を上げることができます。







