仕事熱心だが、忙しすぎて疲弊して見える部下
メンバーが「休みたいのに休めない」「やりたいことをする時間がない」という悩みを抱えるようなケースで、チームリーダーはどうすればいいだろうか? 放置すれば消耗して、パフォーマンスの悪化や離職につながってしまうかもしれない。
そこで参考にしたいのが、世界中で行われた経営学、心理学、経済学等の研究成果をもとに、グロービス経営大学院の教授陣が協力して書いたチーム・ウェルビーイングの教科書。「チームリーダーにできるちょっとしたコツ」をまとめた一冊『職場を上手にモチベートする科学的方法――無理なくやる気を引き出せる26のスキル』。
今回は、同書から特別に抜粋・再編集し、メンバー自身がその時間を自己決定・コントロールできるようサポートすることが、幸福感を高めるためアプローチを紹介する。実は「1日2時間の自由時間をつくる」という目標を設定するのが有効であることが、科学的に明らかになっている。
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仕事が忙しすぎて「やりたいことができない」という部下
近藤さんの部下の東さんは、仕事が忙しすぎて自由になる時間がほとんどないようです。自由時間がもっとあればやりたいことにも時間が使えるのに、と本人は思っているようですが、なかなかそうもいきません。さて、近藤さんはリーダーとして、どうしてあげればよいでしょうか?
毎日の仕事に追われて自由になる時間が取れない。忙しい現代を生きるビジネスパーソンに共通する悩みでしょう。もっと自由時間があれば、やってみたい、挑戦したいと思っていたことにも取り組めるのに、と思っている人も多いでしょう。
そこでみなさんに質問です。
「具体的に、1日にあと何時間、自由時間が増えるとよいと思いますか?」
じつは、自由時間は多ければ多いほどいいというものでもないのです。ここでは、人間にとって適切な自由時間の長さについて、アドバイスをしたいと思います。



