公共図書館と学校の
連携に大きな壁
現在、読書通帳を取り入れているのは公共図書館が中心。今後のさらなる活用策として、学校図書館との連携を進めたいというが、ひとつ大きな問題があるという。
「子どもの読書推進を考えるうえで、公共図書館よりも、より身近な学校の図書館で読書の記録を残したいという声も上がっています。ただ、現状ではそもそも図書システムが導入されていなかったり、学校と公共図書館で異なるシステムを使用しているケースが多く、データの連携が難しいという課題があります」(西村氏)
しかし、その「システム面の課題」を乗り越えれば、学校と公共図書館の連携の可能性も見えてくる、と西村氏。
「図書館のシステムは、さまざまなベンダーさんが開発しているのですが、内田洋行の読書通帳機はどのベンダーさんのシステムとも連携して導入できるんです。公共図書館と学校図書館、それぞれのシステムからきちんとデータを受け取って運用できるというのも、ひとつの強みだと思います」
自治体の取り組みとして
読書通帳を配布する地域も
そんな読書通帳だが、地域によっては自治体の取り組みのひとつとして取り入れている場所もある。
「読書通帳を10冊達成した子どもを市長が表彰したり、年間の読書数でベスト10に入った子どもたちにメダルや記念品を贈ったりと、さまざまな仕組みを工夫しながら取り入れています。また、子育て支援を地域の施策として進めている自治体では、赤ちゃんと本の出合いを促す『ブックスタート』の一環として、母子手帳と一緒に読書通帳を配布する取り組みも行われています」(坂東氏)
実際、山口県下松市では、母子手帳の交付時に「絵本のあるくらし応援パック」として読書通帳を手渡している。このパックには、職員が手作りした絵本リストやコットンバッグなども入っており、親子で読書を楽しむきっかけとなる、あたたかな取り組みとなっている。
子どもが読書通帳を手にするタイミングは他にもある。
「小学校の新1年生に入学のお祝いとして配る『らんどせるブック』と一緒に手渡す学校もあります。学校や地域によっては、本の贈呈と同時に、その記録が読書通帳に登録されていたりもします」(西村氏)
千葉県浦安市では2020年から読書通帳を導入しており、毎年4月初旬には市内の新小学1年生を対象に読書通帳の贈呈式が行われている。この通帳は京葉銀行による寄贈で、地域全体で子どもたちの読書体験を支えようとする姿勢がうかがえる。







