完全自動運転はひょっとすると意外に早く実現する
360+をドライブして実感。それほど完成度が高い

 360+の完成度を試すため静岡県の御殿場を拠点に、東名と新東名、その他の周辺の道路を走行した。

 高速道路に入って、さっそくハンズオフの高度車線内運転支援機能を試す。手離しできる状態になったらインジケーターが青に変わり、青いハンドルのマークが表示される。速度設定は上限135㎞/hまでOK。他社は車速にかなり制約を設けているケースが多い。だが360+はあくまでもドライバーの判断に委ねている。そのうえ人間の感性に合った制御を心がけた結果、極めてスムーズでまったく違和感を感じない。これは見事だ。開発にあたって、車線の中での車両位置や、加減速の仕方にかなり配慮したというが、その成果である。

 路上が工事中で作業員の姿があると、システムが危険と判断してハンズオフはすぐに解除。また、今回は遭遇しなかったが、他社のシステムでは対応できないような合流に対しても、あらかじめ隣の車線のだいぶ後方を走っているときから車両を認識。スムーズな合流を実現したという。

 GPS情報が届かない長いトンネルでもジャイロと地図情報を駆使してそのまま制御が継続されるようになっているのもポイント。試乗した日は条件がよすぎるぐらい快晴だったが、雨やの霧に見舞われてもかなりのレベルまで対処できるという。

 車線変更支援の機能については、レコメンド型であることが大きな特徴。車線内運転支援機能を作動した状態で走行中に、自車より車速の遅い先行車を検知するとシステムが周囲を確認。追い越し可能と判断した場合、まずドライバーに追い越しの提案が通知される。そこでドライバーが手元のスイッチを押して承認すると、ウインカー操作を含め加減速やステアリング操作をクルマ側が自動的に行い、追い越しから車線復帰までを支援してくれる。ただし、その場合はハンズオフでは作動せずハンドルを握っていなければならない。

 何度か試してみたところ、非常に使い勝手に優れていることに感心した。レコメンド型というのがどういうシステムなのかと思っていたが、これは画期的である。開発者に敬意を表したい。