同様の他社の機能では、車線変更の仕方がやけにゆっくりだったり、車線変更角度が急で違和感が感じられたりと、気になるケースがある。ところが、アコードのそれは素早くテキパキしていて好印象である。

 状況によってはなかなか車線変更しはじめないときもあったが、それは「ずっと後方にいる後続車が大幅な速度超過で追い抜いてくる可能性があり、それが大丈夫なことを確認していたから」だと説明された。

 カーブ路外逸脱早期警報についても、ジャンクション走行時にその効果を確認。短時間のドライブだったが“ かなり使える”という印象を受けた。

360+のアコードの車内は
ちょっと味わったことがないくらい静か

 360+は静粛性も圧倒的だった。進化したアクティブノイズコントロール(ANC)を搭載しているからだ。これまでもマイクで収音したデータと逆位相の音を出す静粛性対策は実施していた。360+では、あらたにサイドフレームのダンパーマウントに3軸振動センサーを追加。その振動を検知して、素早く正確なデータが得られるよう改良されている。これまでのマイクに加え、新たなセンサーを得てANCはいっそう緻密になっている。

 さらに乗車状態に合わせたノイズコントロールをするのも特徴。着座センサーによりドライバーだけなのか、他の乗員も含めて均等に振り分けるかを自動的に制御する。360+のアコードの車内はちょっと味わったことがないくらい静かだ。中には「静かすぎて違和感がある」という人もいたそうだ。

 個人的には、どんなに技術が進化しても完全自動運転を実現するのは困難だろうと考えていた。だがここまで完成度の高いシステムを体験すると、ひょっとするといつかは……という気もしてきた。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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