女性活躍推進企業が人気に
伊藤忠商事が4年連続1位

 伊藤忠商事が前半戦調査で4年連続1位となり、文系男子、文系女子の2冠を達成したほか、丸紅(2位)、住友商事(3位)、三井物産(4位)、三菱商事(5位)と、総合商社が文系女子でもトップ5を独占し、人気が際立った。

 1位の伊藤忠商事は、取締役会の任意諮問委員会として「女性活躍推進委員会」を設置し、経営と一丸となって女性の活躍を後押ししており、働き方改革や健康経営に加えて、女性活躍推進への取り組みも学生に浸透しつつある。執行役員を含めた全役員に占める女性比率を2030年までに30%以上とする数値目標に向け、女性社員を対象とした「執行役員選考ルール」を新設。24年度から女性執行役員の内部登用を進め、25年度は28%となった。また事務職の専門性を高める制度改定を実施し、「ビジネスエキスパート職(BX職)」に改称したことや、女子寮を新設したことも話題となった。

 2位の丸紅は、女性活躍推進の方針「女性活躍推進2.0」で女性の成長機会をより充実させ、意思決定に関わるポストまでのキャリアパスを太く強固なものにする「タレントパイプラインの拡張」に注力している。24年には総合職と一般職の職掌区分を廃止し、一般職から総合職に転換するプロセスを経ずに管理職を目指すことができるようになった。新卒採用女性比率は42.3%と大手総合商社の中でも高い。

 25年から一般職に当たる「ビジネススペシャリスト職(BS職)」と総合職を「プロフェッショナル職」に統合し、職務をベースに成長・挑戦できる環境を整備することで男女の賃金差異是正に取り組む三菱UFJ銀行(7位)をはじめ、あいおいニッセイ同和損害保険(8位)、三菱UFJ信託銀行(9位)、大和証券グループ(10位)と大手金融機関がトップ10に4社入った。

 文系女子は女性が安心して長く働ける制度や環境が整っていることや、実際に活用できるのかを重視する傾向がある。大手金融機関は伝統的に女性の採用数が多く、ライフステージの変化に応じて仕事と私生活を両立させやすい制度や、制度を活用しながらキャリアを形成して活躍するロールモデルも豊富だ。

 このほか、森ビル(6位)がトップ10にランクインした。