私自身の実体験とは?
私の実体験でも、こういったことはありました。
例えば、久しぶりに連絡が来たかと思えば、いきなり「何々教えてよ」と言ってくるケースです。私が精神科医なので、「こんなことが起きているんだけど、何々教えてよ」と。
また、本当にふらっと通りがかりに、例えばスポーツジムなどで会った時に、いきなり「今何々なんだけど、これ何なの? 教えてよ」と普通に語りかけてくる人もいます。
「お願い」と「テイカー」の違い
もちろん、私だって他人に何かしてほしい時があります。しかし、「何々してよ」とか「してね」みたいな言い方は、大抵、恥ずかしくて言えませんし、申し訳なくて言えないものです。
ですから、「何々してほしい」という気持ちが湧くこと自体はテイカーではありません。それをさらっと言えてしまうことがテイカーなのです。
通常、人に何かをお願いする時は、「申し訳ないんだけれども、こういう理由なのでお願いできませんか?」と、少し申し訳なさそうに尋ねるはずです。
例えば、誰かとご飯を食べることになり、その場所が自分のよく知らないエリアだった場合、普通は「そのあたりの地域はあまり詳しくないので、もしよかったらお店を探していただけないでしょうか?」といった多少申し訳なさそうな言い方になります。
しかし、テイカーの人はそういった配慮を何も考えません。当たり前のように、「じゃあセッティングしてよ」「何々してよ」と言ってくるのです。
早い段階で見極めることが大切
このようにテイカーの兆候は、こうした言葉の端々にすでに出ています。
「この人はテイカーだ」と気づいた時には、すでに手遅れになっていることも少なくありません。もちろん、どうにもならないわけではありませんが、その時点から離れようとしても、相手を断ち切るために、こちらもだいぶ嫌な思いをしなければならなくなります。
ですから、最初の時点で「何か怪しいな」と思ったら、少し近寄らずに様子を見ることが大事です。
今日のテーマである「何々してよ」、そして「何々してくれてもいいじゃん」という言葉を聞いたら、注意するようにしてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








