「それが生年月日も同じなんです」

 なに?私と同じ名前を持ち、同じ日に生まれた男が、●●県で借金をしている。

 私はあと何人いるか想像するに恐ろしい「田中宏和」のことを思い、人に迷惑をかけてはいけない、自分の身を処していきたい、と考えました。ですから皆様「田中宏和」を発見したときは、私にご一報下さい。

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 その後、無事に自動車ローンは組めたのであるが、大晦日まで2カ月を切るタイミングで勃発したこの大ネタを電話で聞いたわたしは心の中でガッツポーズした。

 いまだこの同姓同名で同じ生年月日の田中宏和さんには会えていないが、いつか会えたら「田中宏和さんの借金のおかげで今があります」と感謝の言葉を申し上げたい。

※編集部注:著者の田中宏和氏は2024年にタナカヒロカズ株式会社を設立し、全国の田中宏和たちが交流するコミュニティ「田中宏和.com」を運営している。

ローンの審査に海外旅行まで
同姓同名だけじゃなく生年月日も同じ!

 同じ体験を[シンデレラガールズP]さん(このあだ名は推しコンテンツ由来)は、していた。車をローンで買った帰り道、クレジット会社から電話があり、「神奈川県で車をローンで買っていませんか?」と問い合わせを受けたそうだ。愛知県民ですが、と問いただしたところ、生年月日まで一緒のタナカヒロカズさんがいるとのことで、あやうくローンの審査が通らなくなるところだったそう(編集部注/「田中宏和.com」において田中宏和たちは、属性をもとにしたあだ名でお互いを呼び合っている)。

 やはり同姓同名で同じ生年月日の人は存在するという心構えで生活していくべきだ。

 旅行先は思わぬ同姓同名の発見のケースになるようだ。[サーファー]さんは、団体ツアーで海外旅行に出かける際、チェックイン手続きをしたら「もうされてますよ」と言われ、どういうことかと思ったら、たまたま同じツアー参加者に田中宏和さんがいたそうだ。

 [物流]さんは、伊豆に旅行に行った時、同日に3名の田中宏和さんが宿泊予約されていて、チェックイン時に誕生日を聞かれるも誕生日も一緒の田中宏和さんがいらしたようで、予約の誤りかどうかの確認に時間がかかり怪しまれたことがあるそうだ。

 同姓同名で同じ誕生日の他人が居合わせることは普通に起こりうる。しかし、たまたま3人の田中宏和が予約とは、ベテランのフロント係でも目を疑うだろう。むしろ同じ名は、同じ行動を取りやすいと解釈すべきか。やはり名前は運命を示すという姓名判断が正しいと言うべきか。

 一方でこんな例もある。[丸八]さんは、2023年の大阪マラソンに出場したところ、3人のタナカヒロカズがエントリーしていたが自分の記録を検索する際には、少し手間取った程度だったという。このケースはデジタル・トランスフォーメーションで同姓同名識別がすんなりできたケースと言えるだろう。