不登校の子が抱える
「自己嫌悪」のつらさ
文部科学省が不登校の子どもを対象に行った調査によると、学校を休んでいる間の気持ちとして、まずは小学生の69.7%(この数字は「あてはまる」と「少しあてはまる」の合計です、以下同)、中学生の69.2%が「ほっとした・楽な気持ちだった」としており、小学生の65.9%、中学生の66.0%が「自由な時間が増えてうれしかった」としています。
対象となった子どもの約3分の2が学校に行かないことによってポジティブな感情を抱いていることが示されています(反対に、約3分の1は、ポジティブな感情を抱けていないと言えます)。
一方、小学生の63.8%、中学生の74.2%が「勉強の遅れに対する不安があった」と回答し、中学生の69.2%は「進路・進学に対する不安があった」と回答しています。
また、小学生の43.6%、中学生の58.4%は「自分のことが嫌で仕方なかった」と回答しています。この調査は複数回答可のものであり、結果をみると、「ホッとしつつも勉強の不安がある」「自由な時間が増えて嬉しい反面、自己嫌悪」という相反した気持ちをもった子どもたちがいることが想像されます。
私が聞いた話でも、外から登下校する子どもの声がすると耳をふさぐ、登下校の時間にはカーテンを閉めて、また自分も身動きをしないで存在を消す、意味もなく泣き出す、学校からのプリントをみては、ビリビリに破くなどの行動を示した例がありました。
このように、子どもは不登校になって安堵する一方で、不安や焦り、罪悪感、自己嫌悪感などを抱き、日々葛藤に苦しみながら生活しているのです。結局子ども本人にとっても不登校は、学校に行ってメンタルヘルスを悪化させたり、命を削ったりするよりはマシという程度の選択でしかなく、楽なわけではないのです。
ここからは、不登校の子どもと親にとって重大な関心事である「勉強」について、どうするべきか考えましょう。







