スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

【人生の岐路】40歳になってわかる、本当に大切なこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

40歳を目前にして、ふと立ち止まる瞬間がある

 40歳を目前にして、ふと立ち止まる瞬間があると聞いたことがある。

 20代、30代は「努力」や「挑戦」という言葉に背中を押されて進んでいればよかった。

 だが、40代に差しかかると、やるべきことをこなしても、自分のやりたいことが分からなくなるのだと言う。

 あなたも、そう感じたことはないだろうか?

「見せかけの達成感」をとっぱらう

 グーグル出身のジェイク・ナップとユーチューブ出身のジョン・ゼラツキーが、多忙な毎日を乗りこなすための戦略をまとめた『とっぱらう』には、こう書いてある。

ネット上のやりとりにコメントすると、何かをやり遂げたような気になり、「仕事をしたぞ!」と脳が知らせてくる。
だがネット上のコメントは、100個のうち99個までが取るに足りないものだし、それなりの代償を伴う。つまり、ハイライトに費やしていたはずの時間と労力が奪われるのだ。見せかけの達成感は、本当にやりたいことに集中する妨げになる。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 つまり、「見せかけの達成感」に人生を支配されていたと彼らは言う。

 何もしていないのに、「ついやった気になっていたこと」が多すぎたのだ。

「自分を本当に満たしてくれるのは何か」を知る

 しかも、「見せかけの達成感」とは、SNSなどスマホ上での出来事のみを指すのではない。

スプレッドシートの更新が、難しいがやりがいのあるハイライトをあとまわしにする口実になるなら、それは見せかけの達成感をもたらしている。キッチンの片づけが、子どもとすごすはずの時間に食い込んでいるなら、それも見せかけの達成感だ。そしてメールの受信箱には、見せかけの達成感のもとが無限につまっている。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 仕事を「効率的に進めているつもり」でも、実は「自分にとって本当に大切なこと」から逃げてしまっていることがある。

 あなたの1日を、本当に満たしてくれるのは何だろうか。

 誰かに見せるための達成感ではなく、自分の内側に静かに残る「ハイライト」は、どこにあるだろうか。

 見せかけの達成感に時間を奪われないためには、「自分にとってのハイライト」を意識的に決めることが重要だ。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)