あるいは、思春期にさしかかるお子さんだと、自分の交友関係や感情体験などは自分だけのものであって、親のものではないから、それを分けたいと感じて、親にはあまり話さなくなることも多いです。

 私は、子どもたちに学校のことを聞く時には「Anything good or bad?(今日1日で、よかったことや、悪かったことはあった?)」と聞くことが多いです。すると子どもは「今日学校で、よかったことって何だろう?よくなかったことって何かあったかな?」と考え、話すことを探してくれます。

 学校からのお手紙やプリントをヒントにすることもあります。今、学校で何を学んでいるのか、どんなイベントがあったかがわかるので、「今、アメリカの独立について勉強しているみたいだね。今日はどんなことを学んだの?」「もうすぐ社会科見学だけど、何が楽しみ?」といった具合に、具体的な質問をすることができます。

 それでも「質問攻め」のようになってしまうこともあるので、そんな時にはグッと我慢して、子どもからのヒントを待ちます。子どもが興味のある漫画のことや、ゲームのこと、あるいは学校で学んだことの一部について話した時に、それを起点に、子どもが話したい話題についての質問を考えるようにします。

 そして、子どもに学校の様子を聞くだけでなく、自分の1日についても話すようにしています。それは私の仕事について子どもに知ってもらうだけでなく、自分の気持ちについて話すきっかけにもなっています。

 親の側が、自分の気持ちを言葉にして表現していると、子どもの方も、自分の気持ちを言いやすくなるでしょうし、感情を表現する時の語彙を広げることにも役立てばいいと思っています。

会話する相手との「位置関係」で
伝える話の印象が変わる

 2点目は、場の作り方を工夫することです。これは、子どもや親の性格や感じ方によって、最適なものがそれぞれ違うので、自分たちに合ったシチュエーションを探すといいと思います。例えばテーブルをはさんで椅子に座り、向かい合って「さあ、話しましょう」というシチュエーションだと、雰囲気が堅くなり緊張感が生まれて話しにくくなるかもしれません。

 一方、台所で料理をしながら顔を見ずに話をするというのも、ちゃんと聞いているのか、お互いわかりにくいかもしれません(緊張しやすい子どもの場合は、その方が話しやすいということもあるでしょう)。