親としてはつい、「あなたがちゃんと頑張っていないからじゃないの?」「先生についてそんなことを言うのはよくありません」「あなたにも非があるんじゃない?」など、子どもが言ったことを否定したくなるかもしれません。
しかし、私たち大人も、普段似たようなことを考えることはあるのではないでしょうか。
「○○病院の先生ってどうも苦手」「お隣の○○さんは話が長くてイヤ」「今日の会議で上司が説明していた内容はさっぱりわからなかった」……などなど。それについて愚痴をこぼした時に、正論でばっさり否定されると、がっかりして落ち込みますし、「単に誰かに言いたかっただけなのに、もうこの人に愚痴を言うのはやめよう」と思うかもしれません。
まずは「そうなんだ」「それはいやな気持ちだっただろうね」と受け止めることです。子どもによっては、単にその言葉を聞きたかっただけということも多いでしょう。
アイ・メッセージで
思ったことを伝えてみる
もし、もっと話した方がいい話題だと感じた場合には、「なぜそう思ったの?」と、その気持ちを解きほぐすための質問をしてあげてほしいと思います。
そして、子どもの気持ちをたくさん聞いたあとで、「私は○○と感じた/思った/考えた」など、自分を主語にした「“I”message」(アイ・メッセージ)で自分の思ったことを伝えてみてはいかがでしょうか。
アイ・メッセージにすると、子どもが言ったことを「良い/悪い」と判断するような表現になりにくいのです。
子どもに対し、「あなたはこう思う/感じるんだね」と受け止めたうえで、「私はこう思う/感じる」と、自分の気持ちを伝える。すると、バウンダリーを尊重した対話になりやすいはずです。
『小児精神科医で3児の母が伝える 子育てで悩んだ時に親が大切にしたいこと』(内田 舞 日経BP)
ただ、自分の気持ちを言葉にしたり、出来事を時系列に整理して人に説明したりするのは、簡単なことではありません。言語表現をつかさどる脳の発達は個人差があります。最初から、親が思うような答えを話せるようにはならないので、最初はこちらが知りたいことがわからず、もどかしい思いをするかもしれません。
しかし、「親が自分の気持ちに関心を持ってくれているんだ」「自分の答えを待ってくれているんだ」と思えることは、子どもにとって大きな励みになりますし、「伝えたい」という思いにつながるはずです。
一緒に「伝える練習をするんだ」というつもりで、対話を続け、その子にとっての正解を探してほしいと思います。







