我が家の場合は、「テーブルをはさんで向かい合う」と「何かをしながら」の中間くらいが話しやすいようです。食事中や、犬の散歩中、習い事の送り迎えの車の中などで、じっくり話すことが多いです。特に、送り迎えの車の中だと、ほかの人に聞かれることがなくプライバシーも保たれていますし、同じ方向を向いているので、リラックスでき、話が弾むことが多いです。

 心理学では「スティンザー効果」が知られています。これは、話をする相手との位置関係によって、伝える話の印象が変わるという心理効果で、例えば、正面に座ると対立が生まれやすかったり、隣同士で横に並んだり、テーブルの角を使って90度の位置に座ったりすると、心の距離が近づきやすくなるとされています。参考にしてみてください。

本人が話したいことを
話させてあげるのが◎

 3点目は、本人が話しやすいテーマから話させてあげることです。

 私は、診察で子どもの患者さんとお話しする時にも、まず特技や好きなものの話を聞くようにしています。小児精神科には、何かうまくいっていないことがあるから診察に来ているわけですから、本当はあまり私と話したくはないと思います。そこで、最初はできるだけ本人がストレスを感じない話題から入ります。

 親子の対話も同じで、最初は本人が話したいことを話させてあげるところから始めるといいでしょう。

 親としては、「今日の宿題はどれくらいあるの?」「今日は苦手な漢字テストがあったと思うけど、どうだったの?」「学校でお友達にイヤなことをされたりしなかった?」など、ネガティブなことが一番聞きたいものではあるのですが、まずは楽しく話せるテーマについて聞くことをお勧めします。

一番大切なのは
寄り添い、共感すること

 そして4点目が一番大切で、「共感すること」です。上から目線で、親の描く正解を受け入れさせることを目的にすると、子どもの側はなかなか自分の気持ちを話せるようになりません。想像力を働かせ、「自分が子どもの立場だったらどうだろう?」と考え、子どもに寄り添いながら話をするようにしてみてください。

 例えば、子どもから、ちょっと対応に困ってしまうようなネガティブな話をされた場合を考えてみましょう。「○○の授業が全然わからなかった」「漢字テストで5点しか取れなかった」「隣の席の○○さんがうるさくてイヤ」「○○先生が嫌い」「アルバイトの仕事がきつすぎて辞めたい」……。