また、授業でおもしろいテーマに出会ったら、それをもっと追求したくなることもあるでしょうが、今はまだ、いくら自分が関心を持ったからといって、そればかりを追求することが許される環境にはなっていないように感じます。

 自分が好きだと思えることを探し続けられない、好きだと思うことに出会っても、それを突き詰められない中で、自分がおもしろいと思えなかったり苦手に感じたりしている勉強に取り組まざるを得ないのですから、「勉強に一生懸命になれない」「やる気が出ない」というのは、子どもたち本人の問題だけではないようにも思うのです。

 親としては、こうした状況に心を寄せつつ、今の社会で求められている学びと折り合いをつけながら子育てをしていくしかないのかもしれません。

子どもの性格に合った
勉強方法を考えてみる

 教育制度や環境、文化はすぐに変わるものではありませんから、不満があるからといって勉強をしないというわけにもいきません。子どもたちが取り組んでいる勉強の面倒くささや大変さに共感し、寄り添うことに加えてもう一つ、子どもを勉強に向かわせるためのヒントになりそうなのが、その子に合った勉強のやり方を探す手伝いをすることです。

 例えば、計画を立てたり短期的な目標を設定したりするサポートです。

 大人でも、計画を立てるのが得意な人とそうでない人がいます。やらなくてはならない仕事を分解し、決められた締め切りまでに、どんなペースで消化しなくてはならないかを考えて計画を立てるには、かなり高度なスキルが必要です。

 子どもも同様で、漠然と「勉強をしなくてはならない」と思ってはいても、「いつまでに何をする」という目標を立て、計画を立てることが苦手で、それができないがために何から手を付けたらいいのかわからないということが考えられます。

 または、小さな短期的目標をクリアするという達成感を経験したことがないために、勉強に取り組むモチベーションが湧かない可能性もあります。

 小学生くらいだと、中間テストや期末テストのような、区切りになる試験がないことも多いので、どのあたりに目標を定めたらいいのかわからないかもしれません。