やる気の出ない子に渡したい
「最強アイテム」とは?
やることは決まっているのに、やり始めるまでに時間がかかるということであれば、タイマーなどを使って、区切りをつけてあげるのも手です。子どもと相談して、何時から勉強し始めるかを決め、「それまではゲームをやってもいいけれど、アラームが鳴ったら勉強開始」ということにします。
大人でも、「ちょっとめんどくさいな」「やりたくないけどやらなくては」と思うことを前にすると、なかなか腰が上がらないものです。
家事をしないといけないのはわかっているけれど、見ているドラマがおもしろいところに差し掛かっていたり、ソファーでのんびりうとうとしたりしていると、「もうちょっと後でいいかな」とずるずる後回しにしたくなります。
「私も、苦手なアイロンがけは、つい後回しにしちゃうんだよね。3時になったらアラームが鳴るようにセットしておくから、あと15分はのんびりしよう。でもアラームが鳴ったらあなたは勉強、私はアイロンがけを始めることにしようか」と、一緒に取り組むのもいいかもしれません。
家事や仕事も同じですが、勉強で一番大変なのは「最初の1歩」です。そこさえ踏み出すことができれば、2歩目、3歩目はかなり楽になるものです。まず机の前に座るのが大変な場合は、先ほどのようにタイマーで区切りをつけたりしてもいいでしょう。
それでもやる気が出ないようならば、「まず15分頑張ってみる」ことを目標にするのがお勧めです。気が進まないことを始める場合、つらさや不安を感じるのは最初の15分がピークだといわれています。もちろん、15分後にまったくつらさや不安がなくなるわけではありませんが、「最初の15分を越えたら少し楽になるよ」と励まします。
『小児精神科医で3児の母が伝える 子育てで悩んだ時に親が大切にしたいこと』(内田 舞 日経BP)
自転車も、最初のひと漕ぎは重く感じますが、いったん走りだすと勢いがつくので、力を入れて漕ぐ必要がなくなってきます。
15分を過ぎても頑張れるようならそのまま続けてもいいですし、疲れているなら休憩してもいいと思います。
たくさんある誘惑に負けず、つまらない、面倒くさいという気持ちに打ち勝って、机に向かえることだけでもすごいです。そこにも目を向けて評価してあげながら、目の前の小さな目標をクリアする達成感を重ね、成功体験を積んでいく。それが、少しでも勉強を継続し習慣化するうえでのモチベーションになるのではないかと思います。







