その分野、領域における専門的な知識と業務経験に基づいた質問力があってはじめてAIからよりよいアウトプットを引き出せる。もちろんプロンプト作成のノウハウも必要ですが、後から教えてもらったりマニュアルを使ったりすれば対応できます。
そう考えると、それぞれの業務や業界における高いプロフェッショナリティを持った人がAIを武器にますます強くなり、そこまで飛びぬけた水準にない中途半端なプロは淘汰されてしまう可能性が高いと考えられます。
AI時代に年収を上げる人
に共通する“視点”
AIによる人員減が起こりつつあるのはホワイトカラーの世界です。一方、人手不足が生じているのは主に肉体的な作業を伴う領域で、具体的には建設や物流、介護などがあげられます。両者はあまり重なりません。
たとえば建設業では老朽化で解体と再開発が決まっていた中野サンプラザは労務費や資材価格の高騰で建設計画がストップしました。このように、計画が頓挫する例が見られるほど人手不足は大きな問題になっています。
当社では高級キッチン事業も展開しているので施工管理者を募集することがありますが、本当に人がいません。二次請け、三次請けの親方は年齢的に引退する人が多いですし、すでに新型コロナ禍で辞めた人もたくさんいます。このため人件費は上昇し、当社が職人に支払う日当も以前に比べ2倍以上に上がっています。
また、国土交通省は公共工事費の見積もりに使う労務単価を3月から全国平均で6.0%引き上げました。これで13年連続の上昇です。
仕事がきつく大変で敬遠されがちだった建設業でもこのように労務費の上昇が続いていけば、ホワイトカラーとして働いていた人が「やってみようかな」と魅力的に感じる水準に達するかもしれません。
しかも今後も人手不足が続くのは確実なので、作業だけに留まらず、さまざまな工夫が求められるようにもなるでしょう。そこではビジネス知識やAIの使い方など、ホワイトカラーとして働いていた経験が強みとして発揮できるかもしれません。







